ゲイボルグ

ゲイボルグ~飛び散る必殺の槍ゲイボルグ

ゲイボルグはケルトの半神の英雄ク・ホリンの使った必殺の槍です。ゲイボルグは常人には使いこなせないほど重いものだったそうです。ク・ホリン自身も普通の武器を使おうとしても簡単に壊してしまうほどの怪力の持ち主でゲイボルグでなければク・ホリンの力にまともにたえられなかったのでした。
ゲイボルグは敵の身に着けた分厚い鎧を貫通し、ゲイボルグが体内に入ると三十もの欠片に飛散して血管と内臓とを身体の中からゲイボルグがバラバラに粉砕してしまうのです。

ク・ホリンは戦場でゲイボルグを目標目掛けて投擲します。ゲイボルグは決して標的を外さず、敵を内部から粉砕します。とある戦場では敵の集団に向けて放たれたゲイボルグは三十の敵兵を同時に貫いたといわれています。
またク・ホリンは重要な戦いではゲイボルグを足の指先に挟んで放つことがあったそうで、このことからゲイボルグは武器の名前ではなくゲイボルグという投槍を使った戦闘法のことだとする説もあるようです。

ゲイボルグをク・ホリンが手に入れるのは影の国の女武芸者スカサハの元ででした。求婚相手の父に結婚の条件として命じられ、武者修行のためにスカサハのものと訪れたク・ホリンは、数々の試練を乗り越え戦闘で用いる魔術や武術とともにゲイボルグを手に入れたのでした。
ゲイボルグを手にし国に戻ったク・ホリンでしたが、約束を違えて結婚を許さない求婚相手の父を殺し結婚を果たしました。そして自国アルスターの精鋭集団「赤枝の騎士団」のリーダーに就任したのでした。
小国が割拠するアルスター国周辺では激しい戦いが多く、騎士団のリーダーであるゲイボルグを持つク・ホリンの生涯も戦いの連続だったようです。その激しい戦いをゲイボルグや多くの魔術、戦闘術で切り抜け英雄として名を高めていったのです。多くの戦いの中にはク・ホリンとともに苦しい修行時代を乗り越えた親友との戦いや自分に会いに来た息子との戦いもあったのでした。

命をかけてゲイボルグとともに戦いに勝利し続けたク・ホリンにとって、自国アルスターのために戦うことが生きるということだったのかもしれません。

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