ダーインスレイヴ

ダーインスレイヴ~血を求める呪われた魔剣ダーインスレイヴ

ダーインスレイヴは北欧神話に登場する小人が作った魔剣で、ダーインスレイヴは一度鞘から放たれれば人の血をみるまで収まらない、それがダーインスレイヴが魔剣といわれる理由です。ダーインスレイヴにまつわる伝承はいくつもあるようですが、中でも有名と思われる美しくも恐ろしいダーインスレイヴの伝承を紹介していきます。

北欧神話における主神オーディンの愛人でもある美しい女神フレイヤ、ある時四人の小人が作った美しい黄金の首飾りに心を奪われてしまいます。女神フレイヤは この首飾りを欲しがりますが、小人たちは見返りとして女神フレイヤ自身を欲しました。女神フレイヤはそれを承知し、四人の小人たちに四日間その身を任せま した。この出来事を見ていた狡猾でいたずら好きな神ロキは、主神オーディンに告げ口をします。
これを聞いたオーディンは非常に怒り、ロキに命じてフレイヤの館から黄金の首飾りを盗み出させます。女神フレイヤは首飾りがなくなったことがオーディンの仕業と知り、泣いてオーディンに許しを請い首飾りを返してくれるよう懇願します。
オーディンはその条件としてある二人の王を戦わせ、死してもまた起き上がり永遠に戦うよう呪いをかけるよう女神フレイヤに言ったといわれています。

女神フレイヤが戦わせることになったのは、デンマーク王ホグニとサラセン王ヘジンでした。この二人の王は盟友で、そんな種目の競技も互角の好敵手だったそうです。
女神フレイヤはまずヘジンの競争心を煽り、正気を失わせました。ヘジンはホグニの妻を殺し、娘をさらい船で逃亡します。これに怒ったホグニはヘジンを追いかけます。
その時、ヘジンは正気に戻り和睦を申し出るのですが、もちろんホグニは許しません。ホグニは手にした剣ダーインスレイヴを抜いてしまっていたのです。
「自分はもうダーインスレイヴを抜いてしまった。このダーインスレイヴは小人が鍛えた魔剣。一度鞘から抜かれれば人の血を吸うまで収まらず、ダーインスレイヴでかすり傷ひとつでも負えば、ダーインスレイヴのその傷はけして癒えることはない」
とホグニは言ったといいます。
ヘジンとホグニは軍勢を率いて殺しあいましたが、女神フレイアの呪いによって翌朝には戦死者は再び生き返り、神々の最終戦争ラグナロクが起こるまで果てしなく殺し合い続けたのだといわれます。

こうしたように、人間にとってまるではた迷惑な残虐な事件を引き起こしてしまうのが北欧神話の神々なのです。
このダーインスレイヴですが、ある説ではダーインスレイヴは英雄シグルドがファーブニルという竜を退治した時に得た財宝のひとつとされることもあります。これはどちらにもホグニという人物が登場することからダーインスレイヴともうひとつの剣が混同されてしまったようなのです。
おそらく二人のホグニは別人のようでダーインスレイヴとファーブニルに関係はないようです。

ですが、とても恐ろしい呪われた魔剣であるダーインスレイヴですが、倒した相手が翌朝には生き返ってしまうのでは、少し残念な気もします。ダーインスレイヴの物語、この他にもいくつかあるようです。ダーインスレイヴに興味をもたれたら、ダーインスレイヴについてもう少し調べてみてはいかかでしょうか。

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