村雨

村雨~抜けば玉散る八犬伝の名刀村雨

村雨は霧や雨、水を司るとされ、常に刀身に冷気を帯びていたとされます。村雨は刀身に露が浮かび、村雨で人を切っても刀身に血糊が残らないとされました。村雨は江戸時代の戯作家滝沢馬琴が描いた読本「南総里見八犬伝」に登場し、村雨は本来、鎌倉公方であった足利家に伝わる宝だったそうです。

村雨を持っていたのは八犬伝の主人公の一人である犬塚信乃。村雨のほかにも名刀といわれる刀を持っていた犬塚信乃は、村雨を用いて敵と戦ったことはほとんどありませんでした。村雨が使われたのは、その水を司る力を使い、火に囲まれた際に村雨を用いて逃れる、村雨を使ってかがり火を消す、といったことに村雨は使われました。

村雨を携えた犬塚信乃は、作中では村雨を足利家に献上するために旅立ちます。村雨を携え多くの難事を乗り越え、八犬士としての使命や自らのルーツに気いていった犬塚信乃は、最終的に祖父の代からの目的であった村雨を足利成氏に献上するのでした。

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