ダグザの棍棒

ダグザの棍棒~生と死を運ぶダグザの棍棒

ダグザの棍棒はケルト神話に登場するダーナ神族の主神にして大いなる神と呼ばれる神ダグザの持つ棍棒です。
ダグザが持っていた魔法の器物のうちのひとつがダグザの棍棒と呼ばれる生死を与える棍棒なのです。ダグザは大地と豊穣を司る食欲と性欲の旺盛な男神だといわれています。太鼓腹と赤ら顔が特徴のダグザは大いに女性からモテ、ダーナ神族の太母ダヌー女神をはじめ多くのダーナ神族の女神や敵方のフォモール魔族の女王にまで手を出したそうです。ダグザの知識、技術、戦闘術、芸術とあらゆる面において卓越した能力が、数多くの女性を弾きつけたのかもしれません。

そんなダグザの持つ棍棒は八人がかりでやっと運ぶほどの大きさで、ダグザの棍棒を運ぶためにダグザの棍棒には車輪がついていたのだといわれています。ダグザの棍棒のこの重さは、ダグザ自身の怪力をも現しているといってもいいのではないでしょうか。ダグザの棍棒の先端には八つの突起があり、ダグザ棍棒を振るうと敵陣の八列までも吹き飛ばし敵の骨を粉々にしたと伝わっているようです。
そしてダグザの棍棒のもう一方の端を持ってダグザの棍棒を振るうと、今度は死んだものたちが何事もなかったかのように生き返ったのだそうです。

ダグザの棍棒はこのように生そ死を与える魔法の器物で、これは大地の持つ「生まれる場所」と「死んでいく場所」という二つの側面を象徴しているといえるのではないでしょうか。ダグザ自身も大地を司る神でした。

ダグザの棍棒は転生を象徴しているともいえるのではないでしょうか。ケルト人は転生思想を持っていたようです。そのため死を恐れず勇猛に戦いその強さを響かせました。ケルト人と戦ったローマのカエサルは「ガリア戦記」の中でケルト人の勇猛さについて指摘しているのだそうです。ですがその転生思想を信じるがゆえに命を軽んじすぎケルト人は滅んでしまったという説もあるようです。

ダグザの棍棒は生と死を与える器物。ダグザの棍棒はケルト人を象徴しているような印象を与えているかもしれません。

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