グングニル

グングニル~百発百中の神槍グングニル

グングニルは北欧神話の主神オーディンの代表的な持ち物です。グングニルの名前の由来は「貫くもの」といわれ、一説にはグングニルを投げた時の擬音からともいわれています。グングニルはひとたび投げれば必ず敵に命中し、敵を倒したグングニルは自らオーディンの手に戻ったといわれています。このグングニルのおかげで、オーディンは「槍の神」の二つ名がつくことになったのです。
グングニルの柄はトネリコという落葉樹でできているといわれていますが、グングニルの柄であるトネリコは北欧神話においては世界樹ユグドラシルの近縁種と捉えられています。そしてグングニルの穂先にはルーン文字が刻まれているといわれています。

グングニルは小人によって作られた魔法の槍なのです。北欧神話において多くの秘宝は小人族によって作られていますが、グングニルもまたそうした秘宝のひとつなのでした。グングニルを作ったのは「イーヴァルディの息子たち」と呼ばれる小人たちでした。
ある時いたずら好きとして有名な神ロキが、雷神トールの妻シヴの美しい金髪をそり上げてしまいます。これに対し非常に怒ったトールはロキを激しく糾弾しました。ロキをトールを恐れその怒りをなだめるために、小人族に代わりになるような黄金の髪を作るよう依頼したのでした。見事に黄金の髪を作り上げた小人たちは、同時に魔法の船とグングニルを作り神々に献上したのだといわれています。
余談ですが、この騒動の際にロキが他の小人族に話を持ちかけ、黄金の髪やグングニルと同じような素晴らしいものを作れるかと煽り、そうして作られたのがミョルニルなどの秘宝なのだそうです。これは「ドワーフの競作」といわれグングニルやミョルニルなどの素晴らしい秘宝が作り出されたのです。

グングニルを手にしたオーディンは北欧神話における最終戦争ラグナロクにおいて、アース神族の先陣をきって魔狼フェンリルと対峙しました。グングニルを手に奮戦するオーディン。勇ましくグングニルをフェンリルに突き立てますが、怒り狂ったフェンリルにグングニルもろとも飲み込まれてしまうのでした。

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